Q. 日本ももっと世界遺産になるものはない?四国の世界遺産の候補は?
A.日世界遺産条約を守ると約束している国(締結国)は、将来世界遺産に登録することがふさわしいと考える物件の一覧表を作ります。
これを暫定一覧表(暫定リスト)と呼んでいます。暫定リストは各国が1年から10年以内をめどに世界遺産委員会への登録申請を目指すもののリストで、原則として、このリストに掲載されていないものを世界遺産委員会に推薦しても審議されません。
現在11件が日本の暫定リストに記載されています。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/sekai_isan/zantei.html
各締約国は、この暫定リストをUNESCOに提出し、暫定リストに載っている物件のうち、準備が整ったものを世界遺産委員会へ推薦します。これに対し、世界遺産委員会が世界遺産に登録するかを決定します。
四国では、香川県・愛媛県・徳島県・高知県が合同で「四国八十八箇所霊場と遍路道」を世界遺産にしようと文化庁に応募していますが、まだ、暫定リストには載っていません。
Q. 一番世界遺産が少ないのは?
A. 世界遺産がひとつもない国もたくさんあります。
世界遺産条約の締約国191か国中30か国には世界遺産がありません。また締約国になっていない国もあります。
Q. 世界遺産は年に一度しか決まらないのですか?
A. はい、そうです。原則として世界遺産委員会が年に一度だけ開かれ、そこで決定されます。
Q. こわれそうなものは、どうやって守っているの?
バーミヤンなど全壊した世界遺産をつくることは可能ですか?
登録されたものが存在しなくなったらどうなるの?
A. 危機にさらされている世界遺産リストに登録されて危機遺産となった世界遺産を保護、修復するために必要なお金や人材がその国に足りない場合には、国際社会が協力してお金や技術の支援を行います。
世界遺産に登録されるためにはオーセンティシティ(authenticity:真正性、真実性)という条件があります。主に、建造物や遺跡などの文化遺産が持つ芸術的、歴史的な価値が本物かどうか、また修復される際につかう、材料や構造、工法などが本当に正しいかどうかが求められます。
どうしても保護、修復できず、世界遺産の価値を著しく損なうと世界遺産委員会で判断された場合は、登録を削除されることもあります。(例:オマーン「アラビアオリックスの保護区」、ドイツ「ドレスデン・エルベ渓谷」)
Q. 見た目は関係ありますか?
A. 世界遺産としての「顕著な普遍的価値」を持っているかどうかをはかるものさしが「普遍的価値の評価基準」で、10項目あります。世界遺産に登録されるためには、この10項目のうち一つ以上に当てはまらなければなりません。
10項目の中には、「最上級の自然現象、または類まれな自然美・美的価値を有する地域を包含する(7番目の項目)」というものがあります。
美しさというのは人それぞれ、価値観が違いますが、「顕著な普遍的価値」が示す「美的価値」は誰が見ても美しいということかもしれません。
(文責:松山ユネスコ協会 青少年育成部)